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「あわのまにまに」をご紹介いただきました

・2023年2月25日 TBS「王様のブランチ」特集コーナー ・2023年3月8日 「anan」BOOKコーナーに瀧井朝世さんによるインタビュー掲載 ・2023年3月9日 日本経済新聞夕刊 大矢博子さんによる書評 ・2023年3月15日 朝日新聞夕刊 野波健祐記者によるインタビュー掲載  https://book.asahi.com/article/14862429 ・2023年3月17日 カドブン 瀧井朝世さんによる書評掲載  https://kadobun.jp/reviews/review/entry-47921.html ・2023年3月22日 BOOKウォッチ  https://books.j-cast.com/topics/2023/03/22020727.html ・2023年3月23日 「週刊新潮」に石井千湖さんによる書評 ・2023年4月1日 中日新聞朝刊 世古紘子記者による著者インタビュー掲載  https://www.chunichi.co.jp/article/665617 ・2023年4月7日 「文學界」5月号「むらむら読書」にて犬山紙子さんによる書評エッセイ ・2023年4月9日 読売新聞朝刊に小川哲さんによる書評 ・2023年4月9日 東京FM「 Street Fiction by SATOSHI OGAWA」内の 「最近の一冊」  Street Fiction by SATOSHI OGAWA|2023年4月9日『最初の1冊、最近の1冊』|AuDee(オーディー) ・2023年4月10日 女性自身 著者インタビュー掲載 ・2023年4月16日 北海道新聞朝刊 「加藤千恵の新しい朝、新しい本」にて加藤千恵さんによる書評  ・2023年4月20日 第36回山本周五郎賞候補作に選出 ・2023年4月22日 読売新聞夕刊 著者インタビュー掲載 ・2023年4月28日 朝日新聞朝刊 「文芸時評」にて古川日出男さんによる書評 ・2023年4月29日 「リアルサウンドブック」立花ももさんの連載「今月のおすすめ新刊小説」にて紹介  https://realsound.jp/book/2023/04/post-1315572.html ・2023年5月10日 「クロワッサン」(マガジンハウス)瀧井朝世さんの連載コーナー「文字から栄養 よりすぐり読書日記

「あわのまにまに」ができるまで その2~タイトルの意味

今回タイトルについて必ずといっていいほど訊かれるので、一度考えをまとめたくてブログに書いておく。 私の見たところ、「あわのまにまに」という言葉の意味そのものを知りたがる人もいれば、タイトルの意図を知りたがる人もいて、そのどちらもいれば、その中間の人もいる。つまりいいタイトルなんじゃないかと思う。 まず「まにまに」という言葉が先にあった。辞書をひくと出てくるのは、おもに古語の「随に」で「①…に任せて。…のままに。▽他の人の意志や、物事の成り行きに従っての意。②…とともに。▽物事が進むにつれての意」とある。 「波のまにまに」とか「神のまにまに」とか詠われていたりする記憶があったけど、なにかこう自分の意志とは関係なく流されていくかんじ、どうしうようもなさ、途方もなさ、取り返しのつかなさ、そうするしかないからそうしている、そんな印象の言葉だった。 かといってその渦中にいる人が、なんも考えないで漂っているだけなのか、というとそうでもないんじゃないか、無念だったり悔しさだったり怒りだったり哀しみだったりそりゃいろんな感情があるだろう。そういう「間に間に」見え隠れするもの、という意味もある。それからこの小説の大きなテーマが時間であり、十年刻みで時間をさかのぼっていく、その章と章の「間に間に」見え隠れするものという意味でもある。 ちょうどこのブログの最初の記事で、こんなことを書いていた。 ちょうどいま書いている「あわのまにまに」という連作小説で、長い時間の中で忘れ去られてしまったもの、隠されて見えないようにされてしまったもの、記憶の奥深くに追いやってしまったものなどが、ふいにぷかりと浮かびあがってきてすぐさま消えていく、その儚さみたいなものを書きたくてやっていて(うまくできているかはさておき)、「あわのまにまに」のおそらく作中には使われないであろうメモのなかに「あわのような想念」と書かれているのだが、創作についての「あわのような想念」もちゃんと糸でつなぎ留めておきたいなと思ったのだった。 自分の作品を説明するときにほかの作品を引き合いに出すことにまったくためらいのないのもどうかと思うが、この小説を書いているときに頭にあったのはアガサ・クリスティの「春にして君を離れ」だ。長く生きていると(長く生きていなくても?)、幼い日に見たあの光景、幼い日じゃなくてもなんか妙に心に引っかかっていた