投稿

2026年8月30日

このところ書評を書いたりエッセイの依頼が立て続けに何本か入ったりして、雑文を書く欲求が昇華されていたのでこの日記の存在価値が薄くなっている。日記ってそういうことなのか? 今年に入って急に舞い込んできた長編Aをちょっぱやで片づけ、ここからは短編千本ノックがはじまる――といってもせいぜい五、六本くらいアンソロの依頼が入っているだけなのだが、心の持ちようとしては千本ノックぐらいのかんじである。長編の締切が毎月あるのもきついが、短編の締切が毎月あるほうがもっときつい。読まなければならない資料が各短編ごとに山積みで、さらには書評委員の仕事もあるから、日記なんて書いている場合ではない。長編Aと「CLASSY.」で連載していた長編小説『つぶれた苺を食べること』と「小説丸」で連載していたエッセイ『じぶんごととする』が年内に立て続けに刊行されるのでその作業もある。 ところでついに発表になった「小説すばる」ハイロー特集についていろいろ書きたいのだが、いま公表されている情報以上のことはまだ言うなと口止めされているのでこれ以上はなにも書くことができない。 できないのだが、この企画の発案者である小すば編集部の(し)氏はハイロー愛が熱くひどく真面目な人で、その真面目さゆえにハイローのハイのほうのテンション(とここまで書いて、ハイローにローなほうのテンションなどあったか?と首を傾げている)に自分を持っていこうとしてトンチキなことになっている。なんで小説すばで特集できると思った? まあたしかに執筆陣の名前だけ見れば小説誌で特集組みたくなる気持ちもわからんでもないけど……。実際、ザワが公開されるかされないかぐらいのころ、ハイローにハマっている作家の名前だけを見て取り、某社の担当も「これだけの作家さんが揃えばアンソロ作れそう」とか言ってたけど、みんな目を覚まして! ハイローだよ! 何度でも言うけど、なんで小説誌でハイローの特集組めると思った? (し)氏から校了したというメールを昨晩もらったけど、ほんとにこの小すば発売されるの? ライブ会場で販売されるってなにそれ? ブースが出るのかなあ……? 長いこと小説家をやっていると驚くような依頼が舞い込んでくることがあるけれど、今年はその手の依頼が相次いでいる。ハイロー小説もそうだし(何度でも言うけど「ハイロー小説」ってなに?)、書評委員もそうだし、あとまだ情報...

2026年8月3日

  めちゃくちゃきつめの納期だった原稿を一ヶ月近く前倒しで納品する。やばすぎる。なにがやばすぎるって、この間、自然と体がパソコンに向かうようになっていること。暑くて外に出ることができず、体調が悪いので酒も飲まず、そうなるとやることなくて暇でしかたなく、気づくとパソコンに向かって仕事しているのである。やばい。非常にやばい。完全に休みかたを忘れてしまっている。  だからというのでもないけれど、思いつきで九月の頭にオーストラリアに行くことになった。向こうにいる友人に会いに行くためである。吉川トリコの代表作ってことになっている「グッモーエビアン!」に出てくるヤグとあきさんと同じ名前の夫婦が、かれこれもう20年以上オーストラリアに住んでいるのに、一度も会いに行ったことがなかった。なぜってオーストラリアに行くならほかにもっと行きたいところがあったから。  しかし、我々も年を取った。行きたいところはだいたい行き尽くしたかんじがあるし、なんせこの円安である。私が好きなパリやロンドンや香港やニューヨークやソウル、どこもかしこも金がないと楽しめない都会である。  ソウルなんてあんなに行きたくて行きたくてたまらなくて、何度行っても行き足りるということがなく、次はいつ行こうとつねに考えていたくらいだったのに、なぜか、なんなのか、このところまったく行く気がしなくなっている。そんな時間も元気もやる気もないというのが正直なところだ。老いだろうか。やばすぎる。  で、オーストラリアである。ヤグとあきさんが暮らすのは、ゴールドコーストの下のほうにあるバイロンベイという小さな町である。スピリチュアルでオーガニックでサーフィンでヒッピーでアーティスティックでクリエイティブなかんじの人たちが集まるオーストラリアでいちばんヒップでホットでクールな町だそうだ。世界中から流行に敏感かつ意識的な若者が集まり、クリヘムとかも住んでるらしい。アメリカでいうポートランドみたいなことなんだろうか? なんだかようわからんが、友だちが住んでいるとかじゃないかぎり行くこともないだろうからと楽しみにしている。特にオーストラリアでしたいことはないが、コアラだけはなにがなんでもぜったいに抱っこすると決めている。  昨日、夫と二人で近所のお好み焼き屋に行った。その周辺に何軒か、外国人のやっているカレー屋が乱立していたので話をふ...

2026年7月6日

イメージ
  間が空いてしまった。  去年からの日刊連載もそうだが、今年に入ってからもこれまでやってこなかったような仕事を立て続けに行っている。書評委員もそうだし、まだ発表になっていないいくつかの案件もそう。  いまやっている仕事は納期が非常にタイトで、一日十枚ぐらいの勢いで書いている。ほんとうは一日四枚ぐらいに留めておくほうが自分としては好ましいのだが、そうも言っていられないので、長時間パソコンに向かい、尻凝りや肩凝りや眼精疲労に苦しめられている。正直なところ日記なんて書いている場合ではないのである。  だけど、どうしてもこれだけは書いておかなくては、という事件が発生した。  数年前までマンションで暮らしていたとき、トートバッグ型の不織布ケースを使い、コンポストをやっていた。当初はわりと自由になんでも面白がってぽいぽい投げ込んでいた。鶏肉の皮とか、ラーメンの汁とか、動物性のものもけっこう平気で投げ込んでいたが最初の一年ぐらいはなんともなかった。一度、魚のあらを大量に投下したときはとんでもないにおいが発生し、危うく異臭騒ぎを起こすところであった。くさやのにおいを嗅いだことはないのだが、おそらくああしたにおいなのだろう。  二年目の夏だったろうか。ある日、バッグのなかを覗き込むと、大量のウジ虫が湧いていた。すぐさま蓋を閉じ、見なかったことにしてそのまま数ヶ月放置した。  それですっかり心が折れてコンポストをやめてしまったのだが、この春、以前の倍近くある大きさのケースを購入して再開することにした。動物性のものを入れず、植物性のごみだけにしておけば虫が湧くこともないだろうと思っていたのだが、マンションのベランダと、一軒家の庭では条件がちがいすぎる。なにをどうしたって虫が寄ってくるのである。  六月も半ばをすぎたころだろうか。なんとなくコンポストからいやなヴァイブスを感じるようになった私は、カルスnc-rを投入し、中身をかきまぜるのをやめた。カルスnc-rというのは微生物がいっぱい入ってる基材で、これさえ入れておけば好気性のコンポストでもそんなにかきまぜなくていいらしい。生ごみを投入し、カルスと米ぬかと籾殻を上からかぶせ、さらに土をかぶせてミルフィーユ状にしておけば、虫が発生することも少ないようだ。  しかし、である。  カルス投入以前からすでに卵を産みつけられていたようだ。...

2026年6月27日

  尻凝りが治ったかと思ったら肩凝りがひどい。あるいは、尻凝りはまだ改善されていないのに肩凝りの到来により、そっちのほうに気を取られているだけなのかもしれない。あまりにひどい腰痛に悩まされ、「腰痛学校」という本を読んでみたのだが、「腰痛は気のせい! 脳のバグ! 気にしなければ治る!(大意)」というようなことが書かれていた。思わず本を投げそうになったが、もしかしたらほんとうにそうなのかもしれない。腰痛及び尻凝りから肩凝りのほうに気がそれて治ってしまったのかもしれない。うそだろ。そんなことある?  時間がない。なんでこんなに時間がないんだろうと今年に入ってからずっと首を傾げながら生活していたのだが、春まで日刊連載の原稿をやっていたからというのがまずひとつあり、四月から朝日新聞の書評委員にもなってしまったし、年内に本が三冊出る予定なのでそれに関連してあれこれやることがあったりして、あと去年の終わりがけに立て続けに飛び込んできたアンソロの仕事を片っぱしに引き受けていたら休みがなくなっていた。日刊連載もきついが、毎月それぞれ独立した短編の締切があるのもそれはそれできつい。 短編集があまりにも売れないせいで独立した短編を書くチャンスがアンソロぐらいしかないからついつい受けてしまったんだ。これまであんまりアンソロの依頼がくることがなかったからうれしかったのもある。同時になんで一気にくるんだよと腹が立ってもいる。くるならばらけてきてくれよ。さすがに年四本はやりすぎだ。これからは年に二本までにしよう。というわけで来年以降の依頼お待ちしております。  先月まで月に8回マシンピラティスに通っていたので、それはさすがに4回にした。かわりにパーソナルトレーニングのペースをあげたからあまり意味がないかもしれない。あと、やはり畑に時間を吸われているのである。畑にいるとMUGENにやることが出てくるので困る。大した量の作物を育てているわけでもないのにこの調子なんだから、兼業農業なんてとても無理だろう。この数日、雨が続いていたおかげで畑に出ることもなく驚くほど読書が捗った。  今日は午後から晴れ間がのぞいたのでひさしぶりには畑に出た。ふだん自家製のローズマリーチンキを全身にスプレーし、足裏にアルコールを吹きつけて庭に出ると、ほとんど蚊に刺されることはないのだが、今日はちがった。長雨で腹が減っ...

2026年6月22日

  相変わらず尻が痛い。基本的に私は他責思考なので、まずはマットレスを疑い、その後、仕事のしすぎを疑ったのであるが、机に向かっている時間自体はここ数年さほど変わっていないので、今度はアーロンチェアを疑いはじめた。そういえば、数年前にもなんだか知らないが不調があったときにアーロンチェアを疑い、代理店に問い合わせてみたところ、座面下に入れるウレタン製のバナナクッションが劣化しているのではないかと指摘され、引っこ抜いてみたら見事にボロボロ。新品と交換して大団円を迎えたことがあった。 早速、バナナクッションを引っこ抜いてみたが、見た目はそこまで変わっていないものの、たしかに若干へたれてはいそうなので新しいのを注文することに。これで改善することを祈る。  他責思考は悪いことのように言われがちだが、自責思考よりぜんぜんよくないか?と思う。なにか問題が起きたときに、私がこうだからいけない、私がああだからいけないんだ、もうだめだ、ああああ消えてなくなりたい……といつまでもなめくじのようにうじうじ悩んでいるぐらいなら、外部に原因を見つけて解決を計れるほうがずっとヘルシーだし、実際だいたいのことは構造や外部に問題がある。いやマジで自責思考ってある意味驕っているというか、自分にそこまで影響力があるとお思いで?!?!?ってことだし、マジでほんとになんでも他責に転換したほうがいいよ!!!おまえはそのままでファビュラスでワンダホーでファンタスティックでビューティホーなんだからさ!  念のため言っておくと、他責っつっても相手は人ではなく、マットレスとかアーロンチェアとか社会とか政治とかトランプのことだよ! なんか最後にぬるっと人物名が滑り込んできたような気がしないでもないけど、トランプそのものっていうか概念、トランプなるもののことを総称してここでは「トランプ」と呼んでいます。あとなめじくはうじうじしているだけでいつまでも消えてなくなってくれないから、自責で悩んでいる人の比喩にはふさわしくないかもしれない。  前回、畑にグミをまいた話を日記に書いたら、「こわい」という感想がいくつか寄せられた。こわくないこわくない、ぜんぜんこわくないよ。だって丹精した空心菜がアブラムシのせいでぼろぼろにされてんだよ。絶許だよ。「ぶっ殺されてえのかてめえら」とコブラ顔にもなるってもんよ。こうなったらもう、「や...

2026年06月18日

  週に三度も打ち合わせが入る。そのうちの二度はオンラインとはいえ、週に三回も打ち合わせが入ることなどめったにないので、なんか「仕事している!」という気持ちになる。いや、人と会わないときのほうがむしろ仕事はしているのだが。  以前は名古屋まで編集者がやってきて、名駅でランチや夕飯などをよくしていたのだが、いくら会社が負担してくれるとはいえ往復の新幹線代とかもったいないし、編集者の時間だって有限ではないしなと思うようになり、最近は「なにかのついでで名古屋に寄るからお茶でも」というお誘いしか受けないようにしている。  そうなると、「なにかのついで」と作家に告げるのを失礼だと思うタイプの編集者とは永遠に会えないことになるが、私のことを「なにかのついで」と言われて怒るような作家だと思ってるわけ!?となんとなく気に入らないので、そういう人には会えないなら会えないでまあいいだろう――私がこういうことを書くと、「冗談だと取らない人もいるからやめたほうがいい」みたいなことを言ってくる編集者がいるが、それはおまえが冗談だと取っていないだけの話ではないのか?!と思うので、どちらにせよめんどくさい作家であることに変わりはない。  扱いやすく、親しみやすく、めったなことで怒らない作家でいることに全キャリアを注いできたが、さすがにデビュー20年を超え、もうそういうのはやめることにした。言いたいことはちゃんと言い、だめなことはだめだと言う。引っかかりをおぼえながら仕事をするより、そのほうが気持ちがいいし、それで少しでも出版業界の風通しがよくなるのであれば、これからデビューする作家のためにもなるだろうと思い、最近そのようにしている。  しかし、これがまあ、ほんとうに毎回と言っていいほど揉めるのである。揉めるというか、一方的に私がなんやかや編集者に言う形になるのだが。間違ったことを言っているつもりはないし、真摯に対応してもらってもいるが、我儘だとかめんどくさい作家だと思われているんだろうなあと思うと、それはそれで気が滅入る。  それでなくとも私は自分に甘く、自分を正当化するのが得意なので、もしやこれはただの老化現象なのでは? なんでもかんでも自分の思うとおりにしないと気がすまなくなってるだけなのでは? と心配になったりもするのだが、さすがに「初版十万部刷れ」とか、「原稿料前借りさせろ」とか...

2026年6月16日

 このところ悩まされていた尻凝りによる腰痛が再発。てっきり買い替えたばかりのマットレスのせいかと思っていたのだが、単に仕事のしすぎのようだ。つい先日、熱を出して一週間ほど寝込んだらすっかり腰痛が治ったんだから! マットレスを新調したのは、それもまたしてイラン攻撃のせいである。ウレタン製品!!!!となっての駆け込み需要だったのだが、世の中はすっかり停戦ムードで、株価が高騰する一方。あーあ、となっている。 いや、先走ってウレタン製品を買ったことを悔いているわけではなく、ましてやこの機会に株で一儲けできなかったことを悔いてるわけでもない。なんていうの、まんまと踊らされて消費に走った自分を恥じてるっていうか。いやたぶんこの先石油製品が値上がりすることはまちがいないと思うんだけど。 問題はこのところ加熱する一方のマーケットのほうである。ちょっと前までだったらこの波に乗りたい!!!!とわたしも血眼になっていたかもしれないが、さすがに戦争でマーケットが動くさまを目の当たりにして、一儲けしたいとかもう思わないし思えない。たとえ戦争で儲けたとしても、うれしいどころか恥だと思うし、そう思える人間でありたい。できることなら一生涯。 今日は、かねてより予約していたピザ屋に夫と二人でいってきた。ナチュールワインがボトルで二割引きとかいうからついついボトルで注文してしまった。夫は一滴も飲めないのに。残ったら持って帰ればいいかと思ったけど、結局一滴残らず飲み干してしまった。ああ。 ピザに関してはまた別の機械に詳しく書くが、我々夫婦はおいしいピザを食うために命をかけている。おいしいという評判を聞きつけてはあちこちのピザ屋に足を運んできた。北はいまのところ東京までだが、南は沖縄まで。 ピザに関しては――「ピッツァ」と表記するべきでは?というあたりも含めて、ほんとうにいろいろ言いたいことはある。あるのだが、今晩のピザにかんしていうと、こちらの戦略ミスもあり、もう一度出直してきちんと見極めたいといったところ。生地自体は好みのタイプではあった。ピザに関しては遊びじゃねえんだ。 家に帰ってきてから、ボトル一本飲み干してしまったことを反省し、ごくごく水を飲んでいる。ワインボトル一本、飲めなくもないけれど(実際飲んだけど)、翌日に持ち越しかねない酒量でもあるので、分解するために大量の水を必要とする。これ...