2026年6月22日

  相変わらず尻が痛い。基本的に私は他責思考なので、まずはマットレスを疑い、その後、仕事のしすぎを疑ったのであるが、机に向かっている時間自体はここ数年さほど変わっていないので、今度はアーロンチェアを疑いはじめた。そういえば、数年前にもなんだか知らないが不調があったときにアーロンチェアを疑い、代理店に問い合わせてみたところ、座面下に入れるウレタン製のバナナクッションが劣化しているのではないかと指摘され、引っこ抜いてみたら見事にボロボロ。新品と交換して大団円を迎えたことがあった。

早速、バナナクッションを引っこ抜いてみたが、見た目はそこまで変わっていないものの、たしかに若干へたれてはいそうなので新しいのを注文することに。これで改善することを祈る。

 他責思考は悪いことのように言われがちだが、自責思考よりぜんぜんよくないか?と思う。なにか問題が起きたときに、私がこうだからいけない、私がああだからいけないんだ、もうだめだ、ああああ消えてなくなりたい……といつまでもなめくじのようにうじうじ悩んでいるぐらいなら、外部に原因を見つけて解決を計れるほうがずっとヘルシーだし、実際だいたいのことは構造や外部に問題がある。いやマジで自責思考ってある意味驕っているというか、自分にそこまで影響力があるとお思いで?!?!?ってことだし、マジでほんとになんでも他責に転換したほうがいいよ!!!おまえはそのままでファビュラスでワンダホーでファンタスティックでビューティホーなんだからさ!

 念のため言っておくと、他責っつっても相手は人ではなく、マットレスとかアーロンチェアとか社会とか政治とかトランプのことだよ! なんか最後にぬるっと人物名が滑り込んできたような気がしないでもないけど、トランプそのものっていうか概念、トランプなるもののことを総称してここでは「トランプ」と呼んでいます。あとなめじくはうじうじしているだけでいつまでも消えてなくなってくれないから、自責で悩んでいる人の比喩にはふさわしくないかもしれない。


 前回、畑にグミをまいた話を日記に書いたら、「こわい」という感想がいくつか寄せられた。こわくないこわくない、ぜんぜんこわくないよ。だって丹精した空心菜がアブラムシのせいでぼろぼろにされてんだよ。絶許だよ。「ぶっ殺されてえのかてめえら」とコブラ顔にもなるってもんよ。こうなったらもう、「やられる前にやーるだよ」(もうやられているのだが)。

しかし、不思議なもので、どこからともなく我が畑に降り立つテントウムシさんには、「お、親分~~~~! やっちまってくださいよ~~~!」と縋るような気持ちになるのに、みずからシャブ……じゃなかったグミをあたえて戦意高揚させている蟻に対しては、「うちの若い衆」ぐらいの気持ちでいるんだから、人間ってのはほんとうに自分勝手な生き物である。人間というか私という人間が。

 四月五月となるべく無駄な殺生はしたくなくて、青虫やなめくじやダンゴムシを見かけてもそのたびに家の裏に捨てに行っていた。だが、もしかしていま畑にやってきている蝶は、あのとき私が逃がした芋虫なのでは?という疑いが消えない。「わたし、あのときの芋虫です、ご恩返しにまいりました」じゃねえのよ。ご恩返しに卵を産みつけていくんじゃねえ。それともなにか? これはあだ討ちなのか?!? 私はただこの畑を守りたかっただけなのに、いらぬ情けがあだとなって帰ってきてしまった。もう「やさお酢」だけじゃどうにもならねえ……。

 かくして抗争が勃発。もう容赦はしねえ。卵から潰す。芋虫は見つけ次第、セメントを飲ませる代わりに水の入ったペットボトルに沈める。蟻にはシャブをあたえつづける。現在、私の畑では蟻という伝説のチームがこの世の春を謳歌している。その圧倒的な勢力により、かえってその一帯は統率がとれていた……。

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